株価対正味運転資本 (Price to net working capital)

株価対正味運転資本とは、その企業の株価終値と1株当たりの正味運転資本を比較する財務指標です。正味運転資本は流動資産の合計と流動負債の合計の差額として計算され、企業が業務運営上の必要を満たす上で利用できる短期的な資金の流動性を表します。この比率は、投資家が1株当たりの正味運転資本に対していくらなら支払う用意があるかを示しており、企業の経営効率と流動性が反映されるものになっています。

株価対正味運転資本 = 終値 / 1株当たりの運転資本額

1株当たりの運転資本額 = (流動資産合計 - 流動負債合計) / 希薄化後発行済株式数

ただし、1株当たりの運転資本額がマイナスの場合、計算は無意味になるので計算式は空の値を返します。

正味運転資本に対して株価の比率が高いと、投資家がその企業の短期的な資産と負債の管理能力について楽観的な見通しを持っている可能性があり、その企業の経営効率と流動性への信頼の大きさが示唆されます。ただし、1株当たりの運転資本額が極端に低いと比率全体の値は無視され得るものになり、さらにマイナスであれば空の値になります。この場合、企業の財務の健全性や短期的な債務をカバーする能力について懸念が生じる可能性があります。この指標を理解することによって、企業の市場価格と流動性の関係を評価することができます。